ライオネル・ブロックマン・リッチー・ジュニア(Lionel Brockman Richie, Jr.、1949年6月20日 – )は、アメリカ合衆国のシンガーソングライター、作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサーである。ブラックミュージックを超越した、黒人のポップスターとして評価の高いアーティストの一人。なお、現在までの全世界アルバムトータルセールスは、1億枚以上を誇る。
Lionel Richie / ライオネル・リッチーの活躍
1974年に、コモドアーズのメンバーとしてデビュー。1982年からはソロ活動を行うようになり、1983年にリリースされたアルバム『オール・ナイト・ロング(Can’t Slow Down)』は、全世界でトータルセールス2000万枚を超える彼の一大出世作である。そんな彼の代表曲でもある「エンドレス・ラブ」や「オール・ナイト・ロング」等は、時代を超えるR&Bのスタンダードナンバーとして、現在も非常に人気が高い。
デビュー
アラバマ州タスキーギ出身。1967年、タスキーギ大学在学中にコモドアーズを結成。同大学卒業後、オーバーン大学の大学院に学んだが、1971年7月よりジャクソン5のオープニングアクトを務め、その後モータウンと契約。ライオネルは、サックスを担当していた。
コモドアーズ
コモドアーズは、1974年にアルバム『マシン・ガン』でデビューする。当初は、演奏面に比重を置いたファンク・バンドであったが、やがてライオネルの甘い歌声をフィーチャーしたバラード曲「イージー」などのヒットを飛ばし、その路線を押し進めるようになる。
ライオネルは、作曲家としても数々のアーティストに曲を提供、ケニー・ロジャースの「レイディ」は、1980年に全米1位の大ヒットとなる。翌1981年には、ダイアナ・ロスとのデュエット曲「エンドレス・ラブ」も、全米1位の大ヒットを記録した。現在もデュエット・バラードの定番となっている。
ソロ活動
1982年、ライオネルはコモドアーズを脱退し、初のソロ・アルバム『ライオネル・リッチー』を発表。同年に「トゥルーリー」が全米1位の大ヒットとなり、この曲でグラミー賞最優秀男性ポップ・ボーカル・パフォーマンス賞を受賞した。翌1983年に発表したアルバム『オール・ナイト・ロング(Can’t Slow Down)』はグラミー賞最優秀アルバム賞と最優秀プロデューサー賞を獲得し、同アルバムからのシングルのうち「オール・ナイト・ロング」と「ハロー (心の扉)」は全米ナンバーワン・ヒットとなった。
1985年にはマイケル・ジャクソンとの共作で、USAフォー・アフリカのチャリティー曲「ウィ・アー・ザ・ワールド」を作曲。居並ぶスーパースターたちの中で名誉ある歌い出しを務めた。1986年発表の『セイ・ユー、セイ・ミー(Dancing on the Ceiling)』からは「セイ・ユー、セイ・ミー」が自身5曲目の全米1位を獲得するが、この後ライオネルはしばらく表舞台から退いた。なお、「セイ・ユー、セイ・ミー」でアカデミー歌曲賞を受賞している。
1996年に、10年ぶりとなる復帰作を発表し、その後もマイペースでアルバムを発表しているが、母国アメリカではヒットしなかった。近年では、養子の娘ニコール・リッチーがテレビパーソナリティとして人気者となっており、また、離婚した元妻から請求された莫大な慰謝料と豪勢な生活ぶりが報じられるなど、音楽以外の面で話題になってしまっている。
2006年、2年ぶりのアルバム『カミング・ホーム』がBillboard 200で初登場6位にランクインし、彼にとって初めてとなるBillboardチャート初登場TOP10入りを果たした。その後もセールスを伸ばし続け、結果的に50万枚以上を売り上げ、全米でゴールド・ディスクを獲得。久々のヒット作となった。
2009年、3年ぶりとなるニューアルバム『ジャスト・ゴー』をリリースし、Billboard 200で初登場24位にランクインした。今作では、エイコン等の新鋭アーティストとも共演を果たしており、非常にポップな作品となっている。同年7月7日、マイケル・ジャクソンの追悼会にて「”Jesus is Love”」を披露した。
2012年3月5日、ケニー・ロジャースら多くの有名カウントリー歌手とデュエットを行ったコラボレーションアルバム『タスキーギ』がリリースされた。カナダ、ドイツ、イギリスを初めとする数多くのナショナルアルバムチャートにて上位を獲得。既にデンマークでは、ゴールドディスクを獲得している。また、全米アルバムチャートにおいても、15万枚近くを売り上げ、初登場2位を記録した(※最高位は1位)。これは、サウンドスキャンが1991年にアルバムの販売枚数を調査し始めて以来、彼にとっては、自身最高の初週売り上げ枚数である。
Lionel Richie / ライオネル・リッチーのアルバム
1982年 ライオネル・リッチー – Lionel Richie (US POP #3/R&B #1)
1983年 オール・ナイト・ロング – Can’t Slow Down (US POP #1/R&B #1)
1986年 セイ・ユー、セイ・ミー – Dancing on the Ceiling (US POP #1/R&B #4)
1992年 バック・トゥ・フロント/ライオネル・リッチー・グレイテスト・ヒッツ – Back To Front(ベスト盤) (US POP #19/R&B #7)
1996年 ラウダー・ザン・ワーズ – Louder Than Words (US POP #28/R&B #15)
1997年 トゥルーリー〜ベスト・オブ・ラヴ・ソングス – Truly: The Love Songs(ベスト盤)
1998年 タイム – Time (US POP #152/R&B #77)
2000年 ルネッサンス – Renaissance (US POP #62/R&B #54)
2002年 アンコール:ベスト・ライヴ – Encore: Live At Wembley Arena
2003年 ザ・デフィニティヴ・コレクション – The Definitive Collection(ベスト盤) (US POP #19/R&B #31)
2004年 ジャスト・フォー・ユー – Just for You (US POP #47/R&B #22)
2006年 カミング・ホーム – Coming Home(初登場TOP10入り初の作品) (US POP #6/R&B #3)
2007年 Live In Paris (US POP #–/R&B #54)
2009年 ジャスト・ゴー – Just Go (US POP #24/R&B #9)
2012年 タスキーギ – Tuskegee (US 200 #1)